■ りす倶楽部 第28号 1996年8月

「お骨レス」時代の墓標に桜の植樹を!
Lissシステム代表 松島 如戒

「中国の『葬送改革』の最終目標は『墓地レス』である」とは中国の葬送に詳しい東京電機大学の八木澤壮一教授の言である。

中国は先祖を大切にする国だから、先祖の象徴でもある墓は立派で大きい。そうなると国土は広いといえども、人口の急増が今も続く中国で墓のあり方をこのままにしておけば、国中墓だらけになってしまうとの危機感からの政策目標であろう。

同時にその実践過程として散骨(海や山に骨粉を撒く)も、政府が船を出すなど積極的に取組んでいると聞く。

日本は自由主義の国だから、墓制まで政策目標とするのは難しいかもしれないが、一世帯一墓という今日の状況が更に進めば、二十一世紀のある時期には「墓地」が「墓場」と化し、その対応に苦慮することは確実である。

私たちは少子化・先祖崇拝意識の希薄化などの社会変動を先取りした「もやいの碑」や「飛天塚」という永代管理合祀墓の提案をし、社会的に大きな反響と支持を得たという実績を有している。

一方では散骨が国民的理解と支持を得て、既に市民権を得ているという状況もある。

中国の墓地レスへの道程がどのようなものであるか承知していないが、私たちは「お骨レス化」を提案している。散骨するには焼骨を粉状にしなければならない。しかし、粉といっても骨に変わりはないのではないか。日本人は骨へのこだわりが強いといわれているが、「灰」となるとかなり違ってくるのではないか。火葬場ではお骨は一片も残さず拾ってくるが、「灰」まで欲しいという話は聞いたことがない。

だったら骨を残さず灰にしてしまえば良いではないか、というのがお骨レスの発想の原点である。

我が国の墓制の歴史のなかで、両墓制というのがある。「埋め墓・捨て墓」といわれる遺骸や遺骨を納める墓と、「詣り墓・祭り墓」といわれる精神的なものとしての「ヒト」の存在を次の世代に伝え、メモリーする機能を有する墓との考え方である。

私たちは平成の両墓制思想により、灰になって埋める「骨(物)」がなければ、墓はメモリー機能だけでも良いのではないか。その機能としては、かつて墓標に替えて植樹をした経験を私たちの先祖は持っている。

現在大分の本院では、大黒天山頂奉納を軸に様々な整備が進んでいる。そのプロジェクトの一つに、寺の裏山である城山を全山桜で埋め尽くそう…というものがあり、植樹キャンペーンを実施中である。

「私の桜の木」として名札を付して人生の節目に植樹し、可能な限り自ら手入れをしようという運動である。こうして慈しみ、育て上げた桜を、自分の死後のメモリーの象徴として、いわゆる墓標としてこの桜を活用する…。そんなことも可能である。

桜を植える運動にご協力賜りたい。


▽7月1日 暦に「半夏生」とあるのは何でしょう。夏至から数えて11日目。昔は毒気の降る日といって一切の野菜を口にしなかったとか。薬草「半夏」の茂る季語は夏。▽7月2日 TV番組制作会社の依頼で「クイズの帝王」の解答「正解」の場面作りに協力。▽7月5日 説明会。日本経済新聞社の取材は代表対応。▽7月6日 朝日新聞社経済部の取材。昨日に続き代表が対応。この所FAXで原稿が送られてきて、どこへ掲載されるのかを初めて知る。時には校正の赤ペンが踊りまくる。▽7月9日 首都圏の水不足に朗報か?台風5号接近中。保健同人社の取材や個人面談。▽7月10日 恵まれ過ぎかと思う程の大雨の中、3名が公正証書を作成。▽7月11日 昨日に続き3名が公正証書を作成。担当の公証人の先生によって作成日が決まるため今回連続になった。▽7月13日 功徳院はお施餓鬼。11時からの法要に多勢の参加。Lissシステムで葬儀をされた遺族の方々を見受けた。苑内で「斉」=とき=(お寺で供養のために出す食事)の用意があり、一時暑さを忘れる談笑が続いた。▽7月20日 NTVの取材が朝9時30分から始まる。模擬葬儀の祭壇や遺族へのインタビューと収録が続く。朝からの緊張がほぐれかけたとき緊急連絡が入る。▽7月22日 通夜の祭壇はバラや百合が冠のように柩を飾る。午前10時功徳院より落合火葬場へ。▽7月24日 TV東京より取材の申し込み。▽7月25日 午前と午後説明会。例会は今日が締切りで16名参加。▽7月27日 「土用」さすがに暑い。例会には一人の欠席もなく介護用品を各々見学のあと、異国の文化に触れる昼の食卓を楽しむ。▽7月30日 Lissシステムも発足から三年を目前に契約を更新された方も数名。今日また公証役場で公正証書を3名が作成。連続の熱帯夜に満月が美しい。(くるみ)


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